2001年3月24日に発生した「平成13年(2001年)芸予地震」(Mj6.4)では,3月17日に本研究室で連続計測している大気イオン(帯電エアロゾル)濃度がプラス大イオンにおいて4589(個/cc)という異常な値を計測した.これは,プラス大イオンの平常値(300〜1300(個/cc))の約5倍である.異常変化基準である3000(個/cc)以上の値を計測したため本研究室が運営しているe-PISCOホームページ上で緊急情報として一般公開した.本研究室が予測した地震の規模としてはM5.4前後の地震で先行時間として1週間とした.しかし,この時点では震源域は特定できなかった.そして,3月24日地震が発生し,M6.4を記録した.これについては,予測されたマグニチュードが実際とは「1」低いという点より今回計測されていたイオン濃度は,あくまで本研究室のある岡山での自然イオン濃度であり標準化されたイオン濃度ではなかった.次に海中で起こり深さが60kmと深い地震であったことである.予測と実際のマグニチュードの差をいかに減らし,正確な震源域を予測することができるかが今後の課題である.