岡山理科大学では1997年10月より大気イオン濃度変化と地震発生の関係を定量的に調査している.この計測結果として,2000年10月6日の鳥取県西部地震前に大気イオン濃度(帯電エアロゾル)が異常値を示した報告がある(弘原海,2000).
ところで,今回の芸予地震(2001,3.24;M6.4)の際にも鳥取県西部地震前と同様の傾向が見られた.本研究室がこの芸予地震の地震前兆としての認定したプラスイオン異常値は4589(個/cc)である.これは鳥取県西部地震が起こった2000年一年間のプラスイオンの平均値が約743.3(個/cc),標準偏差が約399.3であることからも,異常値であることがわかる.この地震以降,異常変化基準である3000以上の変化は計測されていない(2001,4.19現在).その他2001年1月〜3月までの時系列グラフからも,マグニチュード4.0を越える中規模以上地震の際には3000以上異常値が各地震の前に先行してシグナルしていることがわかる.