地震危険予知プロジェクト |
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Precursory quake-Information System by Citizen's Observation on Web | |||||||||||
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ASPによる文献・論文サイトの開発
井田 佳伸*・原口 竜一**・和佐 好智*・弘原海 清***
Development of the Literature and Thesis
ASP Web site for e-Virtual Society
Yoshinobu IDA*, Ryuichi HARAGUCHI**, Yoshitomo WASA*and Kiyoshi WADATSUMI***
*岡山理科大学大学院総合情報研究科生物地球システム専門 Biosphere-Geosphere System Science, Graduate School of informatics, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho Okayama 700-0005,Japan.E-mail: nobu@pisco.ous.ac.jp
**岡山理科大学大学院理学研究科総合理学専攻 Applied Science,Graduate School of Science,Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho Okayama 700-0005,Japan E-mail: haryu@sci osaka-cu.ac.jp
***岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 Department of Biosphere-Geosphere System Science, Faculty of Informatics,Okayama University of Science,1-1 Ridai-cho Okayama 700-0005,Japan.E-mail: wadtumi@pisco.ous.ac.jp
キーワード:ASP,論文登録,文献検索,インターネット
Key words : ASP, The Sis Registration, Literature reference, Internet
1.はじめに 1998年 3月より岡山理科大学の本研究室ではホームページ”e-PISCO”を運営している。これは市民に地震危険予知情報を提供するためのものである。2001年5月16日現在アクセス数は70万人を超えた(第1表).
第1表 e-PISCOの年度ごとのアクセス数と倍率
1998年度 1999年度 2000年度 アクセス数 55192人 187598人 507357人 倍率(前年度比) ----- 3.35倍 2.70倍
この表から本研究室の研究課題である地震危険予知情報の需要性が高まっていることが判る.しかし実際には、市民レベルの方々が学術的レベルの研究に参加できる場は少ない。そこで普段学会に参加する機会がほとんどない,一般市民の方々に,それぞれの「地震危険予知」についての考えを論文形式で投稿してもらうための論文登録ページを作成した.最大の特徴は,掲示板(BBS)のような投稿・閲覧機能以外に、それぞれの論文に対する評価ができる機能を設けたことである. 具体的にはWeb上で公開した論文に対してオンライン投票ができる機能を持つ.
今回,用いた環境としてActive Server Pages(以下ASP)というサーバーサイドスクリプトを用いて論文登録ページと文献検索ページを作成した.これらのページを作成するための環境としてはWindows98以降(Meは除く)標準装備されているASPを用い,論文・文献をデータベース化するためのソフトとしてMicrosoft社のAccess2000を用いた.
2.ASPとは
ASPは動的な性格の対話式Webページを作成するために必要なものであり,リアルタイムに情報のやりとりが行える.クライアントが入力した情報をAccessでデータベース化して保存し,逆にクライアントが要求した情報を出力する事ができる.つまり,「出前システム」である(第1図).
ASPの特徴としては,今までは情報がWebサーバーから直接クライアント側に送られ,それをクライアントが処理していたためにクライアント側のパソコンに大きな負担をかけていた.しかし,ASPではクライアント側から送られた情報がWebサーバー側でスクリプト処理され,クライアントに送信されるためクライアント側には殆ど負担がかからなくてすむことである.
3.論文登録・閲覧・評価ページ
論文登録・閲覧ページの概要(第2図)として,初めて投稿する人には個人情報の登録,2回目以降の場合は個人のログオン名とパスワードを入力すると論文作成ページへ移行する.登録された情報はAccessの中に保存される.情報の更新は各自が個人情報登録ページで登録したログオン名とパスワードを入力することでAccessから情報が取り出され更新する事が可能になる.セキュリティ面ではいたずら防止のため、論文登録ページでは登録・更新・削除ページは、ログオン・パスワード両方が個人情報登録分と一致しなければ入れない.
論文投票ページは一般読者にも評価にも参加してもらう方式で最も特徴がある.論文タイトルを選択すると論文の内容が表示される,論文内容を読んでもらい,その評価結果を投票してもらう.その際,一度投票すると連続して投票出来ないようにしておく.これにより,的確な論文評価が行われることになる.投票の経過はグラフによって表示され,どれだけの人が自分の論文に興味を持っているかがわかり励みになる.
4.文献検索ページ
論文作成をする際,過去に自分が使った文献を探すのにはかなり時間と労力がかかる,それを解消するために今回,文献検索ページを作ってみた(第3図).個人でそれらを登録すると,Accessでデータベース化されて保管される.検索ページは著者名,発行年,出版社,文献名,内容で検索出来るようになっている.文献を検索する際に,著者の姓は判るが名は判らないといった場合が多い,その時のために著者名と発行年の“あいまい検索”が出来るようにした.この,“あいまい検索”によりたとえば著者名が“井田”までしか判らない場合や“イダ”と読み仮名しか判らない場合,それを入力することで,“井田”という姓の著者名と文献をすべてAccessより引き出してくることができる(第4図).
5.おわりに
論文登録・検索ページを作成するにあたり,本研究室e-PISCOの掲示板を閲覧していると,様々な方が自分の思うことを書き込み,そして議論している.そこで掲示板という場所でなく,各家庭に広まったインターネットを利用して一般市民向けの論文投稿サイトで論文として個人の考えを発表してもらい議論してもらう“仮想学会”を開くために論文登録ページを作成した.今後の課題として,第3者による個人情報流出をいかに防ぐかなどセキュリティ面の強化が課題になるであろう.
文 献
升屋正人(2000) Active Server Pages構築術. ソフトバンクパブリッシング株式会社,221p.
Alex Fedorov著トップスタジオ訳(1999) ASP2.0標準講座. 翔泳社,919p.
ASPの公園:http://www.f-store.net/asp/home.asp