トップページへ  
地震危険予知プロジェクト
Precursory quake-Information System by Citizen's Observation on Web 
インデックスページ 要注意情報、お知らせ、履歴 PISCOの紹介 大気イオンや宏観異常による地震危険予知 掲示板
用語辞典 リンク集 サイトマップ

 

ASPによるe-PISCOのアクセスログ収集・解析

Collection and Analysis of e-PISCO's Access Logs by ASP

和佐好智*・原口竜一**・弘原海清***

Yoshitomo WASA*, Ryuichi HARAGUTI** and Kiyoshi WADATUMI***

* 岡山理科大学大学院総合情報研究科生物地球システム専攻 Biosphere-Geosphere System Science, Graduate School of Informatics, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho, Okayama 700-0005, Japan. E-mail: 0303@pisco.ous.ac.jp
** 岡山理科大学大学院理学研究科総合理学専攻 Applied Science, Graduate School of Science, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho Okayama 700-0005, Japan. E-mail: haryu@sci.osaka-cu.ac.jp
*** 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 Department of Biosphere-Geosphere System Science, Faculty of Informatics, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho, Okayama 700-0005, Japan. E-mail: wadatumi@big.ous.ac.jp

キーワード:アクセスログ,e-PISCO,ASP (Active Server Pages),Microsoft Access
Key words: Access log, e-PISCO, ASP (Active Server Pages), Microsoft Access

 

 

1.はじめに

 本研究室では,大気イオンの計測と宏観異常の収集を行い,この結果をもとに地震危険予知を試みている.この試みの場として,インターネットを利用し,Webサイト上で研究内容や成果を公開している.このWebサイトはe-PISCO (http://www.pisco.ous.ac.jp)というプロジェクト名で公開している. e-PISCOでは,ASP(Active Server Pages)を使い,Webサイト上で宏観異常情報を収集するシステムを作成,運用している.ASPとはMicrosoftのWebサーバーであるIIS(Internet Information Server)や,PWS (Personal Web Server)上で動作するサーバーサイドスクリプトである.使用できるスクリプト言語はVBScriptとJScriptの二つである.ASPはサーバーサイドで処理を行い,結果だけをクライアントに送信することができるので,ブラウザに依存せず,クライアントへの負担も少ない.  今回,e-PISCOの中でASPを使用したページについて,アクセスログの収集・解析を行った方法を紹介する.

2.ASPでのアクセスログ収集方法

 それぞれのASPページにクライアント変数を取得するスクリプトを埋め込み,Microsoft Access にページごとのアクセスログをデータベースとして収集した.通常,アクセスログはWebサーバーがテキストファイルとして収集しているものであるが,Microsoft Access に貯めることにより,テキストファイルよりも非常に扱いやすいデータとなる.Microsoft Accessにアクセスログを貯めていくと,テキストファイルの場合よりも容量は大きくなるが,パソコンの性能の向上や,ハードディスクの価格低下などにより,容易に実現できるようになった.
 まず,収集するクライアント変数を決める.e-PISCOで収集しているクライアント変数は,アクセスしてきた日時,クライアントのIPアドレス,OSやブラウザの環境,使用している言語環境である.このほかにもいろいろな環境変数を取得することができる. 用意するMicrosoft Accessのファイルには,新しくテーブルを作り,デザインビューで第1表のようにフィールドを作る.フィールドは取得するクライアント変数にあわせて用意する.クライアント変数はクライアントブラウザの設定によっては取得できないこともあるので,全てのフィールドに空文字許可をしておかなければならない.AGENTは場合によっては50文字を超えるので,最大文字数を70〜80程度にしておく.このように用意したファイルをODBCのシステムDSNに登録する.

第1表 デザインビューで作成するフィールド
フィールド名 データ型 説明
LDATE 日付/時刻型 アクセス日
LTIME 日付/時刻型 アクセス時間
RADDR テキスト型 IPアドレス
AGENT テキスト型 OS,ブラウザのタイプ
LANG テキスト型 言語環境

ASPファイルに実際埋め込むスクリプトは以下のものである.


<%

Dim DBC, RS

Set DBC = Server.CreateObject ("ADODB.Connection")

DBC.Open "データソース名"
Set RS = Server.CreateObject ("ADODB.Recordset") RS.Open "select * from テーブル名", DBC, 3, 3 RS.AddNew RS("LDATE")=Date RS("LTIME")=Time RS("RADDR")=Request.ServerVariables("Remote_Addr") RS("AGENT")=Request.ServerVariables("HTTP_USER_AGENT") RS("LANG")=Request.ServerVariables("HTTP_ACCEPT_LANGUAGE") RS.Update RS.Close DBC.Close %>

 データソース名には,ODBCのシステムDSNに登録したものを入力し,テーブル名にはAccessファイルのテーブル名を入力する.

3.アクセスログの表示

 収集したアクセスログの表示方法にもASPを使用することにより,リアルタイムでの表示が可能になる.ASPファイルの中でSQL文を使用し,Microsoft Accessからデータを取り出す.取り出したデータはVBScriptを使用し,様々な形に加工して表示する.表示方法に関しても同じく多くの可能性があり,どう表現するかはそれぞれの好みに合わせて書き換えることもできる.今回作成したページは,第1図のようなものであり,それぞれのページに対し,総アクセス数,月単位・日単位のアクセス数,平均,標準偏差,内部アクセスの割合,OS・ブラウザの種類,変化率などを計算し,表示している.
 ログがたまるにつれ,集計には大きなリソースが必要となる.今後の課題として,サーバーへの負荷を減らすことがあげられる.

文  献

(株)アンク著(1999)VBScriptポケットリファレンス.技術評論社, 316p.
升屋 正人(1998)Active Server Pages 構築術 -Windows Web Server 構築ガイド 活用編-.ソフトバンクパブリッシング株式会社, 221p.
山田 祥寛(1998)Active Server Pages 2.0 実用サンプル集.秀和システム, 319p

 

 

 

情報地質学会