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地震危険予知プロジェクト
Precursory quake-Information System by Citizen's Observation on Web 
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ASPによるiモード対応e-PISCO

e-PISCO for i-mode by ASP

和佐好智*・川合桂史**・原口竜一***・弘原海清**

Yoshitomo WASA*, Keishi KAWAI**, Ryuichi HARAGUTI*** and Kiyoshi WADATUMI**

 

* 岡山理科大学大学院総合情報研究科生物地球システム専攻 Biosphere-Geosphere System Science, Graduate School of Informatics, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho, Okayama 700-0005, Japan. E-mail: 0303@pisco.ous.ac.jp
** 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 Department of Biosphere-Geosphere System Science, Faculty of Informatics, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho, Okayama 700-0005, Japan. E-mail: wadatumi@big.ous.ac.jp
*** 岡山理科大学大学院理学研究科総合理学専攻 Applied Science, Graduate School of Science, Okayama University of Science, 1-1 Ridai-cho Okayama 700-0005, Japan. E-mail: haryu@sci.osaka-cu.ac.jp

キーワード:iモード,ASP (Active Server Pages),e-PISCO,Webサイト
Key words: i-mode, ASP (Active Server Pages), e-PISCO, Web Site

 

1.はじめに

 本研究室では大気イオンの計測と,住民から集めている宏観異常情報をもとに,地震危険予知を試みている.この活動の場としてWebサイト(URL;http://www.pisco.ous. ac.jp )を利用している.このWebサイトでは,大気イオン濃度による地震危険予報や,地震の前兆現象と考えられる宏観異常情報の収集,本研究室での研究成果などを公開している.
 Net Rating社の調査では2001年3月末の時点で,日本のインターネット利用者数は約2563万人であり,インターネットの普及は年々進んでいる.しかし,パソコンの価格は下がったとは言え,まだ高価である.そこで,ここ数年で急激な成長を見せている携帯電話でのインターネット接続サービスである,iモードにe-PISCOのWebサイトを対応させることで,より多くの人々に利用してもらうことを目指した.

2.iモード とASP

 iモードは,NTTドコモが1999年2月22日から開始した携帯電話でのインターネット接続サービスである.2001年4月29日現在で,加入者数は約2300万人であり,(日本人の5人に1人がiモードを利用することができる)今後も増加すると予測される.
 iモードを利用するメリットとして,時間や場所を選ばず,インターネットに接続でき,情報を入出力できることや,パソコンが必要ないということが挙げられる.e-PISCOをiモードに対応させることにより,これまでより多くの住民に協力してもらうことが可能になる.本研究室で住民から集めている宏観異常情報は,主に屋外で観察されるものであり,宏観異常を感じた時に情報を入力することも可能になる.
 ASP(Active Server Pages)はMicrosoftのWebサーバであるIIS(Internet Information Server)や,PWS(Personal Web Server)上で動作するサーバーサイドスクリプトである.CGIやSSIと同様に,スクリプト言語を使用することができ,使用できるスクリプト言語はVBScriptとJScriptの二つである.ASPはサーバーサイドの処理を行うことができるため,クライアントに負担をかけることがない.iモードサイトを,ASPを使用して作成することにより,クライアントへの負担を最小限に押さえ,快適なサイトにすることができる.

3.Webサイトの作成

 実際の作成にあたり注意した点は,情報をできるだけコンパクトにまとめることである.iモード用のコンテンツには,容量に制限があり(1ページあたり最大5KB),携帯電話の画面は非常に小さい.このため,e-PISCOのWebサイトに載せられている多くの情報の中から,適切な情報のみを取り出す必要がある.
 iモード対応e-PISCO(i-PISCO)は,e-PISCOの中から適したものを選出して作成した.選出したものは,地震危険予報,予報の説明,宏観異常送信・閲覧,市民メンバー登録,掲示板,お知らせ,緊急情報,PISCOの紹介などである.携帯電話での表示イメージは第1図のようである.第2図には,i-PISCOのサイトマップを階層構造で示す.
 ASPを使用したページは,掲示板と,宏観異常情報に関するページである.これらの多くはe-PISCOで使用されているページを書き換えて作成したが,いくつかについては根本的に作り替える必要があった.e-PISCOで使用しているASPのページではVBScriptとJScriptを組み合わせて作成していが,iモードではJScriptが使用できないためである.
 e-PISCOでは,現状報告として月に一度と,臨時に要警戒の予報を出した場合に,緊急情報として市民メンバーにe-mailを送っている.このe-mailを携帯電話でも無理なく閲覧できるようにするため,市民メンバー登録の際にe-mail登録欄を,パソコン用と携帯電話用の2種類に分けた.今後は,パソコン用と携帯電話用のメールを区別して送る予定である.

4.今後の課題

 今後の課題は,NTTドコモ以外の携帯電話インターネット接続サービスにも対応させていくことである.2001年三月末現在でEzweb利用者は600万人,J-sky利用者は約550万人であり,無視できない存在である.現状では,EzwebとJ-skyでも,ほとんどのページで閲覧は可能であるが,掲示板や宏観異常情報の書き込みは不可能である.
 e-PISCOのWebサイトでは,地震危険予報と共に,予報の判断材料となる大気イオンのグラフを毎日更新している.この大気イオングラフを携帯電話でもわかりやすく表示させることも今後の課題である.

文  献

原口竜一・弘原海清(2000)Windows2000/NTserverとAccessによるWeb-Databaseの開発-宏観異常情報の受信システム-.情報地質vol.11,no.2,pp.72-73.
升屋 正人(1998)Active Server Pages 構築術 -Windows Web Server 構築ガイド 活用編-.ソフトバンクパブリッシング株式会社, 221p.
山田 祥寛(1998)Active Server Pages 2.0 実用サンプル集. 秀和システム, 319P.
コンプレックス(2000)ケータイWebハンディタグリファレンス.IDGジャパン, 174p.
(株)アンク著(1999)VBScriptポケットリファレンス.技術評論社, 316p.

 

 

第1図 携帯電話での表示イメージ
URL: http://www.e-pisco.jp/i//
第2図 i-PISCOのサイトマップ

 

情報地質学会