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地震危険予知プロジェクト
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地震前兆としての帯電エアロゾル

S94S174 山本 和義

1.はじめに
1995年の兵庫県南部地震が起こる数日前から、動物の異常行動が数多く目撃されたとの報告があった(弘原海、1995)。この動物異常行動の原因は、地震前に発生する帯電エアロゾルの異常発生のためと考えられている(H・トリブッチ)。
そこで本研究では、帯電エアロゾル異常は地震前兆の有力候補とする考え方を実証するため、@岡山理科大学での大気イオンの連続測定、A帯電エアロゾルによる動物異常行動の実験を行い検証した.

2.帯電エアロゾルの発生メカニズム
H・とリブッチ(1985)の説によれば、地震の前には、岩床に巨大な圧力変動が起こり、花崗岩質岩盤の石英微結晶が破壊してピエゾ電気を発生させるために局部的な電圧が発生し岩盤内に強い電流が流れる.このような異常域を地震学で言う”地震核”と考える.その岩盤のクラックに沿って流れる電流が、その隙間の水と真空の境目で電気化学的グロー放電を起こす.この反応が起爆剤になって帯電エアロゾルが地表に竜巻上に放出される.

3.帯電エアロゾルの測定
岡山理科大学の測定器(神戸電場製、KSI−3500)は数分感覚で正、負イオンを3粒度(小・中・大)ごとに個/ccで正確に計測し、プリントアウトする.トータルイオン量(ほぼエアロゾル量に近い値)でグラフを作成して地震との関係を調べる.

4.測定結果
当日映像を用いて示す.

5.帯電エアロゾルと動物異常
H/とリブッチ(1985)の説によれば、高密度の正帯電エアロゾルを呼吸した動物はセロトニン(神経伝達物質)の体内濃度が増大し、中枢神経統が大きく乱れ、偏頭痛、むかつき、嘔吐、神経過敏症など、いわゆる”セロトニン症候群”の症状を呈する.

6.まとめ
データが少ないためまだ確証できないが、「地震の前兆として帯電エアロゾルが大量発生し、その結果動物が異常行動をおこす」という図式が成り立つように思える.
また、地震の発生場所や予知範囲の拡大といった問題点をさらに検討する必要があり、今後の課題としたい.

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