地震危険予知プロジェクト |
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Precursory quake-Information System by Citizen's Observation on Web | |||||||||||
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帯電エアロゾル測定データにおける平滑化処理のプログラム開発
S96S042 春日 優子
はじめに
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震では,地震直前に数多くの地震前兆が住民によって観察され報告されている.(前兆証言1519!,弘原海,1995.9)また,神戸電波(株)では,工場内に設置した同社製ION ANALYZER KSI−3500が兵庫県南部地震の数日前から帯電微粒子(エアロゾル)密度に異常な値を記録していた.(薩谷,1996)
本研究室では,帯電エアロゾル密度異常が地震前兆の指標になると考え,神戸電波製ION ANALYZER KSI−3500を購入し,1998年4月より24時間連続で帯電エアロゾルの測定を行っている.
この測定データを生データとし,N88BASICで整理・加工・編集(平均値・分散・標準偏差)して,Microsoft Windows 95/98 Excelで過去1週間分のデータをグラフ化し,毎日予報を出している.
しかし,過去の地震を分析するにあたって過去1週間の期間は短く,広い範囲に渡って分析をする必要があるが,データ数が多いためグラフ化が困難である.そこで平滑化処理(移動平均)によるデータ圧縮を行い,瞬間ピークを取り除くことで初めて長期間の利用が可能になる.このデータをデータベースに格納することで将来に渡って多面的に活用することができる.この意味で本研究室の研究活動において大変重要な作業である.
本研究では,この一連のデータ処理を行うプログラムをMicrosoft Visual Basicを用いて作成した.操作方法
プログラムは,4つのformから成り立っている.
O メニュー画面
O 各データ項目入力画面
O 各保存先入力画面
O 各入力内容確認画面各データ項目入力画面では,対象データ・データ保存先の選択及び,移動平均値の入力を行う.また,平滑化処理の余りの保存のために,ファイル名を入力する.各保存先入力画面では,ゼロ点補正と平滑化処理のデータ保存先の選択・ファイル名の入力を行う.各入力内容確認画面では,各入力・選択データの確認また,前回のデータリセットの有無の選択を行う.
結果データ
ゼロ点補正データ,平滑化処理データ共に選択した保存先・入力したファイル名・ファイルの種類で保存される.また,ファイルの種類は,Microsoft Windows Excel である.それぞれ,+CH1・−CH1・+CH2・−CH2・+CH3・−CH3の順で出力される.
今後の課題
現在の予報の処理は,大部分が手動による作業で行われている.本研究室の作業は多くのデータを扱い,多くの情報を必要とする.そこで,プログラムによる自動化の予報を目標とし,帯電エアロゾル測定データのデータベース化が大きな課題である.また,N88BASICによる一連のプログラム処理をMicrosoft Visual Basicで行うことも大きな課題の一つである.