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地震危険予知プロジェクト
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気象現象が帯電エアロゾルに与える影響

S96S034 岡本 敏幸

1. はじめに
昨年度までの研究により、大気イオン測定器(KSI-3500;神戸電波叶サ)を使った測定による帯電エアロゾル濃度(個/cc)は、気象変化が大きく関係していることが報告されている。そこで今回は、降雨・雷発生時の気象現象の他に、新たに湿度について検証した結果を報告する。

2.帯電エアロゾルの発生と気象現象
大気中では、主として地殻中及び大気中の放射性核種から出る放射線(α線、β線、γ線)の電離作用によって大気イオンが生成される。この大気イオンが、周りの微細なエアロゾルに付着して、正負の電荷を持つ帯電エアロゾルを作る。地震前兆時に発生する帯電エアロゾルは主にラドンによるものであり、さまざまな気象現象によるものはすべてノイズとして扱われる。地震予知を確実にする為には、測定値からこのノイズを差し引くことは必要不可欠である。このノイズに注目し、検証を行った。

3.サンプリング方法
 それぞれの気象現象の条件を満たした同じ日に、測定した帯電エアロゾル濃度のデータにより検証を行った。(サンプリング期間:H.11.4/1〜H.12.1/13)   
○ 降雨時  雨の降り始めから止むまでの総雨量が最も多く観測された時間帯
○ 雷発生時 雷電と雷鳴、雷光が確認された日
○ 湿度  ・降雨が観測されていない日
     ・1日の平均気温が同じ日
     ・1日の平均湿度の差が大きく違う日
  
4.結果
○ 降雨時  大イオンが減少、中イオン以下が増加する結果が得られた。特に
      マイナスイオンの方に大きな影響が見られた。               
○ 雷発生時 全てのイオン濃度が増加するが、その中でも特に中イオンに影響 
      が見られた。 
○湿度   帯電エアロゾル粒度比率のデータより、湿度が高いほど大イオン 
      濃度が高くなるという結果が得られた。

5.まとめ
 今回使用した気象データは全て岡山地方気象台のものである。今後は、より正確な地震予知を確立する為に、観測地点での気象データを使用し、地震前兆としての濃度変化とノイズを識別分離する方法を確立する必要がある。

 

論文