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台湾921chi chi地震における前兆証言について

S96S074 杉田昌子

 11月に行った台湾地震の現地調査において、約1300の前兆証言アンケートを回収した。 このアンケートの証言を元にデータを起こしグラフ化するとともに、さまざまな角度から検証する。
   ・分類別(自然現象・動物の異常・等)のデータ
   ・時間の推移による証言数の変化
   ・地域別のデータ                等


*アンケートの集計結果*

台湾中部地震の前兆証言の分析
―兵庫県南部地震とトルコ大地震との比較―

S96S074 杉田 昌子


1. はじめに
本研究室では、地震の予知・予報の一環として、住民レベルの観察による動物や自然現象の前兆的異常を収集している。1999年9月21日に起こった台湾中部地震ではどのような前兆異常現象が見られたのかを現地調査した結果、2409件の証言情報を収集することに成功した。本研究では、今回の現地調査で得られた前兆異常現象を分析するとともに、兵庫県南部地震と、トルコ大地震(池谷、1999年、10月)での前兆異常現象との比較をし、考察する。

2.調査方法
11月16日から3日間、南投縣草屯鎮の南開工商専科学校の協力を得て、23クラスを対象にアンケート調査を行った。アンケートは、前兆異常を13項目に大別し、さらにそれぞれを細分化し全106項目についてチェックする形式である。

3.調査結果・考察
今回収集したアンケート数は1034枚である。そのうち、何らかの証言をした人の合計数は805(人)、証言をしなかった人の合計数は229(人)である。また証言件数(複数回答込み)は、2049(件)である。13大項目に分類した証言のうち一番多いのは、気象で、少ないのは海水動物である。(図1参照)台湾中部地震と兵庫県南部地震における前兆証言の項目別割合を比較した。その結果、一番大きな差が出たのは鳥類である。兵庫県南部地震が渡り鳥の多い冬に起こったという点が要因として挙げられる。

4.まとめ
台湾中部地震と兵庫県南部地震の前兆証言においては、気象・獣類の割合が高く、植物・爬虫類が低い値を示すという点でほぼ同じであるといえる。また、トルコ大地震の前兆証
言調査は、前述した2つとは別のスタッフによるものである。別のスタッフによる調査でも同様の結果が出るということは、同じスタッフで得られた結果だけより信憑性が高い。つまり、次にもこのような前兆証言が観察される可能性があると言える。

 

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