地震危険予知プロジェクト |
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Precursory quake-Information System by Citizen's Observation on Web | |||||||||||
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PISCOネットワークの運用・管理
I98G009 内田 陽一
はじめに
本研究室では,Webサイト上で,地震と関係のあるとされる大気イオン濃度データを公開している.また,市民の方からは宏観異常情報や様々な意見を送信してもらい,地震危険予知に役立てている.この際,本研究室は独自のサーバーを構築して,Webサイトを運用している.現状の問題点
2001年3月24日に芸予地震が発生したことで,PISCOへの関心は急激に高まった.これ以来,PISCOサイトのアクセス数は,これまでに比べ大幅に増大した.この影響でサーバーのパフォーマンスは低下し,システムを拡張する必要がでてきた.また,市民メンバー登録や宏観異常情報の入力時には,個人情報がWeb上を流れるために個人情報が流出する危険性があった.近年,コンピュータ利用技術などの進歩により,インターネット利用者は増え続けている.これに伴いコンピュータウイルスなどの被害が増加している.ネットワークの改善
そこで,安定したネットワークの運用とセキュリティ向上を果たすため,まずはサーバーの負荷分散を行った.これまではMailサーバーとWebサーバーを1台のマシンで管理し,Data BaseサーバーとWebサーバーも1台のマシンで同様に管理を行っていた.このうち,静的なコンテンツを含むWebサーバーはメモリ容量の高いマシンへ,Server Side Script,例えばASPを使ったコンテンツを含むWebサーバーは,CPU能力の高いマシンへ移すことで役割の分散を行った.特にData BaseサーバーとWebサーバーを切り離したことはセキュリティ強化につながった.また,SSL(Secure Sockets Layer)を使った暗号化通信システムを導入した.コンピュータウイルスに対する予防,発見,駆除策としては,クライアントとサーバーのすべてにアンチウイルスソフトを使うようにした.最後にシステム管理を行う上で重要であるシステムの運用ポリシーとして,システム監視方法やバックアップスケジュールなどの策定を行うことにした.結果
この結果,サーバーの負荷分散を行ったことで、これまでよりも安定した運用が可能となった.PISCOサイトへのアクセス数を見ると毎月10万件以上あるが,これに対し十分に余裕を持ったサーバーの運用ができている.セキュリティ面においては,暗号化通信システムの導入で市民メンバー登録の際など,より安全にPISCOサイトを利用してもらえるようになった.今後の課題
今後の課題として,理科大の基幹ネットワーク(OUSネット)にはファイアウォールがあるが,PISCOネットワークには整備されていない.より高いセキュリティを得るためにPISCOネットワークにもファイアウォールを設置する必要がある.また,モバイル用サイトの立ち上げを行ったので,携帯電話でのリモートアクセスに対するセキュリティ強化も進めて行く必要がある.