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地震危険予知プロジェクト
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大気イオン濃度の異常変化は地震前兆か

Anomalous density change of atmospheric ions: Its role as an earthquake precursors

# 弘原海 清[1], 米澤 剛[1]
# Kiyoshi Wadatsumi[1], Go Yonezawa[1]

[1] 岡山理大
[1] OUS

http://www.pisco.ous.ac.jp/

 1.はじめに:兵庫県南部地震の直前,1995年1月8日から地震当日(17日)まで,大気イオン濃度に普段見られない異常が確認され,地震前兆の可能性が指摘されている(薩谷,神戸電波,1996.10).これが動機で,岡山理科大学は大気イオン測定器を神戸電波KKより購入し,1997年8月より大気イオンの連続観測を開始し,自然や人工環境下での大気イオン変化(バックグラウンド)のデータを蓄積し,地震前兆データの捕獲を試みた.
 2.バックグランド検証:測定システム:(1)自然環境下でのイオン濃度変化:日常状態での濃度変化は1000(正・負;個/cc)以下である.空雷時は落雷時に1000以下,その数時間前で1500とやや高い.台風9号ではピーク時2500,平均1500以下が確認された.(2)人工環境下でのイオン濃度変化:大学祭期間中の屋台群の影響下で,ピーク時2000(正・負;個/cc),平均1500以下,吸気口直下の焼却炉使用時では独特のパターンをもつ5000から15000が観測され,窓から覗いて毎回確認した.
 3.地震前兆としての濃度異常:(1)兵庫県南部地震(M7.2)は最大3200(個/cc),測定器はKSI−1000で,最大粒度が0.01ミクロンで,岡山理大のKSI−3500(最大粒度0.02ミクロン)と比較するには前者を5〜6倍する必要がある.(2)鳥取県西部地震(直線距離110キロ)は濃度4200(正)から9000(負),および,濃度3900(正)と10000(負)の異常,日常の5〜10倍以上の濃度を2回記録した後,前震M4.1,本震M4.6とM5.2が連続して発生した.(3)近畿・中国・四国・九州北部の地震:現在,M3.5以上の地震と大気イオン異常との対応関係を全面的に調べている. 
 4.まとめ:1997年8月からの観測した自然・人工環境変化に対応した大気イオン濃度変化は2500(個/cc)以下と決めてよい.これ以上の異常は地震前兆の可能性が極めて高いと考えられる.今後とも,バックグランド濃度の変化データを集積すると共に,M3.5以上の地震との対応付けを試みる.

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