予知に成功した中国被害地震の宏観異常
中国において、予知が完全に、またある段階まで成功した地震は以下のものである。
@遼寧省海城(ハイチョン)地震 (直前予報成功;1975.2.4 M=7.3)の宏観異常
A河北省唐山(タンシャン)地震(長中期予報成功,直前予報失敗;1976.7.28 M=7.8,7.1)の宏観異常
B四川省松潘(スンパン)・平武(ピンウー)地震(直前予報成功;1976.8.16 M=7.2, 6.7,7.2)の宏観異常
C四川省塩源(エンユアン)地震(直前予報成功;1978.11.7 M=6.9)
D雲南省寧浪省(ニンラン)地震(直前予報成功;1978.12.13 M=6.8)
四川省松潘(スンパン)・平武(ピンウー)地震
最近の情報によると、1976.8.16の松潘・平武地震での宏観異常の報告件数は図のような経過をたどっている。 図(304Kバイト)
国家地震局は約50日先行して宏観異常の観察依頼を住民に出し、観察協力体制が引かれている。住民からの通報は依頼直後に小さな山があって、後は一進一退を繰り返しながら50日が経過し(第1段階)、その直後から急に異常報告が増大した(第2段階)。
1975年2月の海城地震の成功例、1976年7月28日の唐山地震の失敗例をすでに学習している住民にとって、この時点から自主的な避難を始め、直前の避難勧告によって指示避難が開始される。これらの避難行動の結果、住民からの宏観異常の報告件数が極度に減少し、そのタイミングで地震が発生している。この経過はアト予知的な調査結果とは完全に相違する逆転現象で(アト予知では報告のピーク)、将来日本で真に地震危険予知に成功すれば、宏観異常の報告件数は、これに類似した経過を示そう。
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