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地震危険予知プロジェクト
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成果(論文・報告)

(2)動物に見る宏観異常

C人間(91ケース、5%)

人間も動物の側面を持ち、感度は別として、身に起こった前兆的な異常をしばしば体験する。さらに、人間特有の問題は心に起こったことも証言できる。地震の来る前に心に何か異常な気配、特別な不安感、恐怖感、脱力感、神経の不調、悪夢などを証言している。

◇異常の具体例

・当夜は、眠りが浅くひっきりなしに目が覚めていた。

・背中に痛みを感じ連夜悪い夢を見た。

・1時間前1歳5ヶ月の幼児がいつもと違い大声で泣き続けた。

・前夜“めまい”のような不安定状態におそわれた。

・地震前、2日間原因のわからない突然の鼻血が続いた。

・激しい心臓の動悸が続き眠れなかった。

・1週間前から8ヶ月の赤ちゃんの夜泣きがひどくなり、地震後はしなくなった。

・直前、寝ていて異常な暑さを感じ、寝汗をびっしょりかいた。

・前日JR三宮駅付近で友人と二人とても暑く感じ名状しがたい車酔い状態に陥った。

・1週間前からひどい頭痛が続き地震後2日目に無くなった。


D獣類(324ケース、19%)

獣類の異常324ケース(全体の19%)について、最も多かったものから示すと、イヌ(35%)、ネズミ(25%)、ネコ(25%)の3種類が際だっており、以下、イタチ(3%)、モグラ、ウサギ、リスの各2%、ハムスター、イノシシ、イルカが各1%で、その他はわずか2%である。

◇異常の具体例

・一ヶ月前からネズミが姿を消していた。

・野良ネコが夜通し泣き続け、ハムスターはコマを回す回数が多かった。

・前日、王子動物園でトラとライオンが吠え合っているのを見た。

・いつもおとなしい飼いネコ(ロシアンブルー)が1時間前から暴れ奇声を出していた。

・30分前、我が家のイヌが玄関に向かって激しく吠えた。

・前日、飼い犬を散歩に連れていこうとするとガタガタ震えていた。

・1週間程前、数匹のネコが激しく鳴いていた。

・約40時間前須磨海浜水族館イルカショーのイルカが神経質に、また乱暴に振る舞っていた。

・前日、走鳥類のエミューがしきりに飼育舎を出ようとして隙間に首を挟んだ形で暴れ、死んでしまった。

 

E鳥類(281ケース、16%)

この281ケースの中で最も多いものは、カラス(35%)、分類不明の鳥たち(21%)、スズメ(14%)、カモメ(5%)、ハト(4%)、インコ(3%)、ヒヨコ(2%)、キジ(2%)、その他(13%)であった。

◇異常の具体例

・前日、柿の木に、スズメ、メジロ、ヒヨドリなどが無数に群がっていた。

・4日前の真夜中数羽のカラスが隣家との狭間で激しく鳴き騒いでいた。

・産卵日1月12日付けのパック入り卵10ヶ全部が「双子の黄身」だった。

・2〜3日前から自宅の電線に群がっていた数十羽の鳥が、地震後姿を消した。

・大晦日の夕刻カラスの大群が東北の方向に飛んでいった。

・前日の午後3時頃加古川の田園で数百羽のハトが群がっていた。

・5日前からいつも来ていたスズメが姿を消し、ハトなど大型の鳥がベランダに飛来。

・1月15〜16日の両日1000羽にもおよぶ膨大な数のカラスが西の空を埋めた。

・前日、大阪市のあやめ公園に何千羽のユリカモメがいた。

・数日前数千羽のハクセキレイが新十三大橋から消え、明石市には突如カラスの大群が現れた。

・当日深夜カラスの群が異常な声で鳴き騒いだ。

・地震前、2日間の早朝数万羽とも思えるほどのスズメの大群を見た。

・直前、高安山(八尾市)の方でキジがカン高く鳴くのを聞いた。


F魚類(93ケース、5%)

魚類の93ケースの中で最も多かったのが、名前が解らない魚(17%)、ナマズ(13%)、イカ(10%)、金魚(9%)、ボラ(5%)、グッピー・プレコ(5%)、ドジョウ(5%)、コイ(4%)、カレイ(3%)、その他(29%)であった。

◇異常の具体例

・4日早朝、6年前から飼っているナマズが水槽を割った。

・3日前(1月14日)岩屋旧一文字の海が、ボラの大群で埋まった。

・前日、武庫川河口では魚一匹釣れず、また、餌をかじった形跡さえなかった。

・昨年12月頃より淡路島・瀬戸内海方面からアオリイカの入荷・水揚げが過去最大だった。

・前日の武庫川一文字防波堤での釣果は、絶好の条件でありながらゼロだった。

・地震前、水槽内のシマドジョウが狂ったように上下運動を繰り返していた。

・1月3〜4日の夜中、ペットのカレイが水槽のフタを飛ばして外に出るほど暴れた。

・昨年11月19日、夙川にイワシの大群が上ってきた。

・昨年秋からアオリイカの空前の豊漁で地元漁師は、大地震が、来ると思っていた。

・“前触れ”と言われている「竜宮の使い(深海魚)」が三重県で網に掛かった。

G爬虫類など(40ケース、2%)

この40ケースでは多かった順に、カメ(34%)、ミミズ(30%)、ヘビ(18%)、カエル(8%)、ナメクジ(5%)、その他(5%)であった。

◇異常の具体例

・1週間前ネコが冬眠中のヘビの子供をくわえてきた。

・昨年からカメが冬眠に入ろうとせずガサガサと落ち着かなかった。

・1月6日頃から冬眠中のカメが動き出し夏場のように泳ぎ回ったが餌は食べない。

・2〜3日前自宅近くの社から白いヘビが出てきてうろうろしていた。

・2日前、冬眠中のウシガエルがごそごそと動き出した。

・昨年12月8日と17日にマムシが出てきた。

・前日、ゼニガメが冬眠せずに活発に動き壁際に立っていた。

・3日前からイグアナが水槽を引っ掻いたり飛び跳ねたりして暴れ必死の様子で穴掘りをしていた。

・2日ほど前大量のミミズが地上でひからびていた。


H昆虫(43ケース、3%)

この43ケースで多い順に示すと、ゴキブリ(19%)、アリ(19%)、チョウチョハチ・クモ・ムカデ(各9%)、クワガタ(5%)、名前が解らない虫(5%)、その他(16%)であった。

◇異常の具体例

・2日前何十匹ものムカデが木の根から出て山に向かって行った。

・昨夏から出始めたゴキブリが2〜3日前からいなくなった。

・5時間ほど前複数の虫が固まって畳を強くこする音がした。

・3日前からゴキブリがヨタヨタと部屋の中央に出て来て動こうともしなかった。

・1週間前カナブンの幼虫が2匹土中から出てきて足をバタバタさせたいた。

・1週間前からブヨを大きくした感じの1pほどの虫が数十匹天井に集まっていた。

・1月に入ってからわが家のクモが1匹もいなくなった。

・昨年1月真夏の昆虫であるクワガタの成虫が学校の庭にいた。

・3〜4日前カイコが1列に並び余震の4日前にも同じ行動をとった。

 

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