第3回・台湾921集集大地震の前兆異常現象調査報告(5月23日現在)
                     岡山理科大学学術調査団 団長 弘原海 清

1.調査団団員 2名:岡山理科大学総合情報学部;理学研究科
                 教授・団長 弘原海 清(Kiyoshi WADATSUMI)
                 院生・団員  原口 竜一(Ryuichi HARAGUCHI)
2.調査期間:(出国)2000年3月5日(日)〜(帰国)2000年3月18日(土)
3.利用国際航空会社:日本アジア航空(JAA)
 (出国)関西国際空港3/5,16:20発→台北国際空港18:20着(JAA EG237)、 
 (帰国)台北国際空港3/18,14:40発→関西国際空港17:55着(JAA EG212)

4.調査行程
◇第1日(3/5、日曜日)台北市でホテルチェックイン
 ・18:20台北国際空港にて岡山理大、台湾事務所の松岡榮一氏の出迎えあり。 
 ・19:00 台北ホテルサンルートに直行、チェックイン。
◇第2日(3/6、月曜日)台湾の調査訪問先との連絡と調整
 ・09:00〜、調査日程とスケジュールの概要、確認と打合せ(松岡氏事務所)
 ・14:00〜15:00、財団法人中正農業・科学・社会公益基金会の事務局長が直接対
  応され、調査日程とスケジュールの詳細を打合せる。多くの農業、漁業組合
  のリストが提示される。震源地からの距離、方向、調査可能時間を考慮して場
  所を選択。選挙直前の忙しい時期であったが、直ちに基金会より各訪問希望の
  農業漁業会(県庁や組合)に電話で依頼がなされ、日時と担当者を確定しても
  らう。また、松岡氏が大学・研究所へ訪問日程を中国語で最終確認する。
 ・15:00〜、台北市電脳ショップ(台湾の秋葉原)でメモリーを半額で購入。
◇第3日(3/7、火曜日)新竹縣、理科大姉妹校の明新技術学院に訪問調査
 ・6:30起床、朝食、7:30ホテル出発、7:50のバス、9:10に新竹、9:40学院に到着
  ・10:00正面玄関の2Fの建物に呉方收先生を訪問。10:00待ち合わせにぴったり。
 ・午前中は学内挨拶回り、林世明校長、蒋洪寛先生(英語堪能)と挨拶、面談。
 ・昼食は近所の純粋な台湾田舎料理屋「瓦窯贔」、円卓料理。量が半端じゃない。
   鶏湯で肉、油菜の炒め物、麻婆豆腐、台湾風卵焼き、薬膳スープ、芋ご飯・・
 ・学校に戻り、午前の1クラスに続いて、2クラスのアンケート調査を終える。
 ・電車で台北市に帰る。約1時間30分の旅。台北市内は地下鉄。18:10に到着。
 ・夕食は事務所の近くの客家(ハッカ)料理屋で取る。全部が薄味で大変美味しい
   20:00にホテルへ到着。
◇第4日(3/8、水曜日)桃園県中歴市国立中央大学地球科学系の訪問調査
  ・朝9時にロビーに松岡さん手配のハイヤーが迎えに来る。車種はベンツ。中は
   かなり広い。国立中央大学まで約1時間。乗車代金は1,000元(約3,500円)。
 ・午前11時頃より大空観測センター主任教授の劉振栄教授と面談。超高空エア
   ロゾルの常時観測データの1998-1999年の9月中心のデータ(集集地震前後)
   の変化を議論した。9月中頃で見事に変化するも1年前も同様な変化があり、
   地震の影響を評価することは難しい。
 ・岡山理科大学のエアロゾル測定器と同じ原理で、地表付近の帯電エアロゾルを
   測定している環境研究センターの呂世宗教授(センター設立者)と張哲明
   助教授に連絡がとれ、集集地震前後のデータを持参される。大気中の帯電
   エアロゾルが地震の3日前より見事に異常上昇し、予想通り神戸計測の直前
   異常と同じパターンであった。台湾では環境モニタリングをかねて数台を
   全国配置し地震予知にも活用したいとのことであった。台湾ではすべてに
   対応が早く羨ましく感じた。
 ・午後は応用地質研究所防災科学研究所教授の李錫提教授(カナダ大学系)の921
   集集地震情報のデータベース構築状況を視察した。WindowNTとWeb-GIS
   (ArcView/ArcInfo)上に活断層図,地震震源データ、地質図、被害写真ポイントと
   写真、・・など全てがデータベース化され、端末から自由に検索できた。
   ハードは2CPU構成で主メモリーが500MB, ハードディスク100ギガ
  (20ギガx5)の最大規模構成ののHP製システムである。
   発売1週後のWindow2000Proがクライアントに使用されていた。開発の中心
      人物、院生の鄭さんと親交を持ち、英語と中国語(筆談)で苦労しながら話
      を聞いた。日本に来るように誘ったが卒業後の徴兵のため不可能とのこと。
      ハイウェイ近くのバス停まで送られる。15時のバスで台北に帰る。
 ・夜18時より理科大の事務所近くの日本料理店「江戸」で南開工商専科学校の
      余政光董事長(元文部官僚で最も世話になってる)と松岡氏を招待し夕食を
      共にした。
◇第5日(3/9、木曜日)台北休日(故宮博物館の観光)
 ・朝7:30起床、朝食。10時にタクシーで故宮博物館へ行った。約15分で到着。
      運賃は150元。場所は台北市北部、入館料80元、インフォームユニット
      100元で借りる。但し借用にはパスポート、もしくは保証金2000元が必要。
      展示品の前のユニット番号を押せば説明が聞ける仕組み。午前中に1Fと
      2Fの展示品を見て4Fで食事をとった。日本人の団体の観光客が大変多い。
      ガイドの人にせかされ早足で見学している感じ。やはり博物館はゆっくり
      見なきゃ…。13時からまた見学を開始。3Fの玉(ジェイド)とヒスイが気に
      入る。15時にホテルに戻る。
 ・夕方から、士林(シーリン)地区の夜市に行った。途中小道のドラッグストアで
      促眠剤を購入。20時過ぎにホテルに戻りロビーでお茶を飲む。熟睡できた。
◇第6日(3/10、金曜日)花蓮市、台湾東部海岸都市の調査
 ・花蓮市へ飛行機(立榮航空会社)で行き、そこの農業会で話を聞く予定。理大事
      務所の松岡先生も同行されるので言葉の心配がない。7時半にホテルを出て
      台北市内の松山空港から飛行機に乗る。台湾では国内線でもパスポートが必
   要。小型プロペラ機の乗客は70人ぐらい。約30分の旅だが縦揺れが凄い。
   同行の院生は死を覚悟した。
 ・タクシーで花蓮市内へ移動(9:30)。農業会で茶を飲み約2時間話を聞いた。
   近くの食堂で食事。この町はみんな知り合いだらけで来る人来る人、我々の
   席に来て挨拶された。
 ・午後2時過ぎに花蓮県の県庁を訪問、役所の漁業課長に地震前兆の話を1時間
   聞く。太平洋に面した最も広大な県で漁業関係の情報が集まるところ。課長
   の話では県下の漁業、養殖魚、農作物等に、地震前の異常現象は特別に観察
   されていなかった。但し、太平洋東海岸域(陸上も海中も)日常的に地震が
   多く、西方山岳域の921集集大地震の前兆現象は特別に関知されていない。
   しかし、過去に花蓮県で発生した巨大地震の時には、山から野生動物が地震
   直前に町に下りてきて話題になったことがあるとのこと。
 ・その後、農業会が管轄しているお土産屋さん、太平洋が180度見渡される海岸、
   花蓮名産の大理石を取り扱う石屋さん「福園」に行く。石屋の主人、蔡子盛
   さんは地震に強い関心を持ち、花蓮県を海岸沿いに南北に走る巨大活断層
  (米国のサンアンドレアス断層と同一メカニズム)に注目し、店もべた基礎が
   施されているとのこと。過去の被害地震の家屋被災について詳細を話される。
   そこで蔡さんに921集集地震の前兆現象について証言を求める。彼によると
   店に飼ている犬が前夜に遠吠えし夜中に起こされ直後に地震が来たとのこと。
   この1件の証言しか得られなかった。そして驚いたことに、昨年3月の台湾
   TV放送で私を見たとのこと。
 ・夕方18時、予約なしの飛行機が心配。帰りかけると農会の広報課長が夕食を
   ご馳走すると言う。商店街の日本式料理屋で鰻の蒲焼きや、竹の子の煮物で
   熱烈歓迎でびっくり。結局、飛行機のチケットは取れず、汽車(自強号)で帰
   ることに。汽車は夜21時発、ゴールデンウイークの帰省ラッシュの様に満員
   の中、3時間かけて台北駅へ到着。朝6時から夜12時まで動いて大変疲れる。
◇第7日(3/11、土曜日)調査休日(理科大台北事務所のパソコン更新作業)
 ・岡山理大の台北出張所の東芝ノートパソコンが不具合とのことで診断する。
   デスクトップ上にソフトとファイルのアイコンが画面一杯に散乱している。
   まず、これを整理するのを手伝い、左サイドを3列までに縮める。パソコン
   IE5.0が壊れているらしく、IE5.01のダウンロードを試みたが、時間がかり
   途中で落ちる。
   結局、パソコンメモリーの増設(+128MB)とIE5.01のCDを入手するため
   電脳ショップに行く。日本持ち込みのノートなのでパソコンも持参し店頭で
   確認する。松岡氏はかなり強力なパソコン利用者なのでノート型限界の
    256MBまでフルに増設した。IE5.01はパソコン雑誌を買って付録CDを
      入手、事務所でインストール。またメーカー製のWindow98には癖があり、
      市販のWindow98のCDがあったのでこれで再起動する。台湾で必要不可欠
      の中国繁体文字フォントをダウンロードして全てに成功。
      快適に、しかも複数の仕事が同時に動くと大変感謝された。
 ・理事務所でホームページを作ろうと見積を取ったら法外な値段とのこと。
      そこで、松岡さんなら出来るので自分で作りなさいと勧める。
      ホームページのHTMLによる基本構文とメモ帳の機能を説明し、松岡さん
      のAOLサイトにサンプルのミニホームページを作り、部分部分を更新拡張
      する方法をお話しする。理科大の写真もアップでき松岡さんほっとされたが、
      実は我々の方がかなりほっとした。完全に1日が消えたが、我々らしい
      お礼が出来たと自己満足している。
 ・帰りに松岡さんの行きつけのお茶屋さんでウーロン茶を試飲する。ぶらぶら
      しながらホテルに帰る途中に見つけた四川料理店でスープ付き夕食を取る。
      請求料金を見るとえらく高額。いわゆるフカヒレスープ。日本式に料金事前
      確認しなくて失敗。
◇第8日(3/12、日曜日)台中市へ移動
 ・朝、事務所の松岡さんに大型荷物を預け、調査後半の1週間を身軽に旅立つ。
 ・予定より1時間30分早い台中行きの飛行機(華信航空会社)で出発。今度は揺れ
   がほとんどなく快適な空の旅となった。空港から前回も利用したコダック
      ホテル(可達大飯店)までタクシーで25分、200元(約700円)。台北の
      サンルート(日系ビジネスホテル)とは違い部屋も広く店員さんの笑顔も
      さわやか。
 ・5時からは持参のミニノートパソコンで忘れない内に調査記録を延々と打つ。
◇第9日(3/13,月曜日)台中市、南投市に調査資料回収と追加調査
 ・朝8時に朝食、可達大飯店の朝飯はバイキング方式で大変おいしい。
 ・9:30に南開工商専科学校から迎の車が来た。運転手は前回と同じく李さん。
   午前中は学校内で補修工事中の図書館を見た。前回、4日間通訳をしてくれた
   東大出身の若い陳先生は大変元気そうだった。今回は南投県出身の女性秘書が
   通訳として参加してくれた。純粋な台湾語の他、北京語、日本語、英語が実に
   流暢で、日本語は日本人と全く区別できない。フランス語とドイツ語も話す
   あか抜けした美女である。
 ・午後から南投市の李朝卿市長から前回お願いした市民アンケート調査の結果
  (数百人分)を受け取る。市内の小学校の父兄を対象に調査がなされていた。
   市長に直接お礼を述べることができた。通訳は前回市長から証言を得たときの
   洪嘉淵講師(東京教育大学士・日本東方学会会員)である。
 ・15時から被災地の草屯農業会の董事長をまじえて職員から前兆異常現象の証言
   を聞いた。ジャイアンツ鰻が前日の夜、10匹近く取れて驚く。普通は年に
   数匹とのこと。帰りの農道でおびただしい蛇に出会い異常を感じたとのこと。
 ・16時半に学校に戻り余先生から粗品をもらい18時にはホテルに着いた。
◇第10日(3/14,火曜日)高雄市の国立中山大学との合同調査
 ・台中市から高雄市まで飛行機の予定を変更して汽車を使う。前日から濃い霧の
   ために飛行機が離発着出来ないらしい。出発は朝6:15発の特急「自強號」。
   そのおかげで、朝4:45に起きた。高雄には9:03に到着。約束通り国立中山
   大学生物科学系の施習徳先生が緑のバンで迎えにきていた。
   見た感じは35才くらい、背は高く、痩せた感じで、ずいぶんと活動的な
   感じの学者。会話は全て英語。荷物を置くために彼が予約してくれたホテルに
   直行、ホテルの名前は雅格大飯店。大学特別料金で1000元(3500円/2人)。
 ・施先生の中山大学に10:00に到着。そこで施先生のボスの張學文教授と面談、
   今回の我々の目的を話す。彼らはみんな英語が非常に堪能である。
 ・今回の調査で非常によく耳にする地震前兆動物である「馬陸(バルー)」の
   ホルマリン付けの標本を見せてもらう。動物学研究所だけあり各種の標本が
   そろっている。私はバルーを日本で見たことがない。千足動物で、大型は
   10cm〜15cm、小型は3cm〜4cmで2種類である。写真機で接写し、
   採集者の名前をメモする。
 ・昼食は学食の弁当。午後は車で現地調査に出発。施先生は海浜動物の専門家で、
   動物の地震前兆異常行動に大変興味を持たれ共同して調査に当たる。凄く
   行動的で高雄市北西部の魚・カニ・エビなどの一面に広がる養殖池をかなり
   丹念に調査した。施先生が台湾語で市民から情報収集し、彼の英語翻訳を
   日本語で証言メモにしVTR録画した。
   「地震後に魚とエビには食欲減退などで大きな変化が見られるも、地震直前の
   変化は感知されていない。ただし、カニは地震1〜2日前に池の土手に無数に
   はい上がり異常であった。また、台湾海峡の漁業者が港に停泊中の船のそばで
   たむろしていた。彼らの話では、地震の1〜2週間前に底ものの魚が大量に
   取れたが地震後すでに半年が経過しているが全く漁にならない。現在は回遊魚
   のみである」とのこと。
 ・19:00時にホテル到着。大変疲れ帰りの車の中でぐっすり寝ていた。
◇第11日(3/15、水曜日)屏東市での合同調査(最大の成果)
 ・朝7時に起床。ご飯は洋食でパン。このホテルは和食の方が良いかも。
 ・8時に施先生が車で迎えに。今日の目的は屏東市での証言集めである。
   ここから屏東市までは車で約一時間。屏東市農業会での連絡待ち合わせ時間
   は10時、少し早く着いたので町の朝市を見学。屏東市が果物と野菜の大集
   積地であることがよく分かる。予定の時刻になり、屏東農業会の人たちと
   会い、直接に調査目的を説明した。昼から本格的な調査をすることにする。
 ・そこで、午前中にミミズ大量発生の情報が発信された慈恵高級護理産職業學校に
   寄り、陳淑姫校長先生に挨拶し、校庭芝生のミミズ異常発生の写真を撮った
   軍人指導教官の曾文全先生に面会し証言を得る。彼は構内の異常・異変を
   常に注意する立場にある。彼の話によると1999年の9月頃より年末にかけ
   合計四回のミミズ異常発生を構内の中庭芝生の上で目撃した。うち3回は
   校庭にミミズが大量に現れ、集団をなして南南東方向に移動し、第4回目は
   ばらばら無方向に動いていた。このうち第3回のミミズの集団移動が見事な
   写真に撮られていた。写込まれた日にちは10月16日で、10月22日の嘉義
   地震の6日前である。
 ・昼からは屏東縣新園郷の農業会の紹介でミミズの異常発生の新しい証言者
  (小学校の先生)に会った。先生の話によると10月16日をピークに屏東県
   恒春、潮州など広域にミミズの異常発生が知られている。関係者の証言を
   総合すると16日をピークにして出現日と消滅日の間に幅があり、22日の
   嘉義地震の後まで続いたようである。この先生は、その際に捕まえたミミズ
   を現在も飼育し、その生態や行動の日変化を研究されている。
◇第12日(3/16、木曜日)姉妹校、南台科技大学の学生調査と西海岸域調査
 ・朝7時半に起床。高雄8:33発の普通列車で台南市に向け出発、9:12到着。
   楊政峰先生の出迎えあり。台南市は日本で言う京都に近い街で、のんびりと
   し都会。タクシーの運転も優しくて、クラクションの音もあまり聞かない。
 ・南台科技大学に行き、日本語学科の生徒を対象にアンケート調査をやる。
      午前1クラス、午後2クラスを回った。通訳なし。こちらの大学では、英検2級
   レベルの日本語または英語を習得しないと卒業できないらしく勉強熱心。
   日本語を選択す学生の約80%が女性と言うことに大変驚いた。
 ・午後3時ぐらいから海岸部の養殖場や釣具店に行き調査を行った。みなさん
   親切にしかも熱心に話してくれた。特に台南市濱南路の宏友釣具店主は
   ミミズや馬陸(千足類)の異常行動の証言は印象的であった。地震前1ヶ月
   頃から裏庭方向の家の隙間からミミズと馬陸が家に進入してきた。毎日ほうき
   で掃き集め外に捨て、あらゆる隙間を板やシリコンゴムで封印。その痕跡が
   現在も生々しく残っていた。馬陸の死骸を家の隅から拾い集めて見せてくれた
 ・夜、楊先生とレストランのバイキング形式の夕食を食べた。楊先生は台南市の
   土地柄にあった大変温厚な方だった。夜9時過ぎの自強號で高雄に返った。
◇第13日(3/17、金曜日)台東市への移動と東海岸域の宏観異常調査
 ・高雄発7:30の鈍行列車で台東へ向かった。台東新駅で電話連絡をして農業会
   の候さんと落ち合う。前々から台東の景色は大変すばらしと聞いてはいたが、
   列車から眺める太平洋の景色は確かに爽快であった。その農業会の候さんは
   なんと花屋さん。英語が大変堪能である。
 ・昼から、台東の国立台湾史前文化博物館卑南文化公園に行って、候さんの師匠の
   郭慶徳先生(九州大学で研究)に前兆現象の有無を聞いた。その先生の証言
   によると広大な芝生を毎日作業員が管理しているが、地震前後でのミミズ、
   馬陸、コブラなどの異常出現は全く見られなかたとのこと。この話は東海岸
   の花蓮県と同じ結論。
◇第14日(3/18、土曜日)台北中正国際空港経由で帰国
  ・朝9:10に台東発、台北行きの飛行機に乗った。花蓮のときとは違って
    ジェット機で揺れもなく約1時間で国内専用の松山空港に到着。タクシー
    で松岡さんの台北事務所に向かった。預けた大型荷物を受け取りタクシー
    で国際空港に向う。台北国際空港14:40発の飛行機で関西国際空港に
    18:00に到着。大変快適な空の旅であった。

◇帰国後の経過(5月23日現在まで)
 ・第2回のアンケート調査データデータを山本英二教授のアドバイスで
約1500枚分をエクセルの表形式で再入力した。第3回の1500枚も入力した。
これには相当の時間を費したが将来的に必要な作業であった。
我々の手でようやく完成したWindow2000/NTserverとAccessによる市民提供
情報の自動受信システム(Web-DB system)がこの作業に威力を発揮した。
 ・中間結果を春の学術講演会で発表準備中であるが、今後とも台湾の共同研究者
とともに国際学会等で発表を継続するつもりである。これら一連の論文を蓄積
しながら、台湾からも要請され我々も約束している中国語、日本語、英語の
三ケ国語による出版物を早急に実現したい。

◇学会発表-A(一般講演2、デモ・ポスターセッション2)

 ◎日本情報地質学会学術講演会−GEOINFORUM-2000
    6月21,22,23日;大阪市立大学メディアセンター
(1)一般講演「台湾中部地震いおける前兆異常現象のアンケート調査
       −調査データシートとその入力統計処理について−」
(2)一般講演「Window2000/NTserverとAccessによるWeb-Databaseの開発
       −宏観異常情報の受信システム−」
(3)ポスターセッション「台湾集集地震(9/21)と嘉義地震(10/22)に伴う
        千足動物異常現象出現のタイミング」
(4)デモ「台湾集集地震(9/21)のVTRによる前兆異常証言」

 ◎地球惑星科学関連学会2000年合同学会
    6月25,26,27日;国立オリンピック記念青少年総合センター
(A)一般講演「台湾集集地震と兵庫県南部地震の直前宏観異常現象」(PDFファイル)
(B)一般講演「帯電エアロゾルの粒度別濃度変化と地震発生」(PDFファイル)

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