地震予知に関する講演会が11日、徳島市南常三島町2の徳島大学付属図書館であった。神奈川工科大の矢田直之助教授が、大気中のイオン濃度測定による地震予知のメカニズムと測定実績などについて解説した。
徳島大工学部が主催し地震研究者、大学院生ら約30人が出席した。矢田助教授は大気イオン発生の仕組みについて「地震発生前に地殻に亀裂が生じた際に放出される。地震規模が大きいほどイオン濃度は高いようだ」と説明。
昨年9月に発生した紀伊半島沖、東海道沖の両地震前に濃度異常をとらえたことを紹介し「イオンは水に溶けるため海溝型地震は測定できないと考えられてきたが、濃度変化があったことから両地震と関係があったようだ。南海地震も予知できる可能性がある」と話した。
また、地震予知の研究が進んでいない現状を批判。「イオンを測定する専門装置は高額だが、全国的な観測をすれば時間的、地域的予測の完成度が高まるだろう」と提言した。 |