まずはじめに、能登半島地震で亡くなられた方に対してお悔やみ申し上げます。そして、震災地の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く、日常生活に戻れますようお祈り申し上げます。
神奈川・厚木測定点では、能登半島沖地震発生の約5時間前に大気イオン濃度の異常上昇(22,981個/cc)を記録しました。震央から厚木測定点までの直線距離は307kmです。なお、最寄り測定点の松本測定点では、特段の異常値は認められませんでした。また、本震当日の午後にも上昇(9,041個/cc)が認められましたが、余震に対応する可能性があります。5時間後の18時11分にはM5.3の最大余震が発生しています。
宏観異常現象としては、e-PISCOに報告された数としては、同規模の2004年新潟県中越地震にくらべて少ない印象があります。いずれも地震後に報告されたものですが、金沢市では「21日、22日の夕焼けが異常に赤く感じられた」、同じく金沢市で地震前夜の24日夜、「風が生暖かく気持ち悪かった」との報告があります。また、報道されているように日本海側ではダイオウイカが大量に捕獲されています。さらに、現地メディアからの情報では、地震前に地鳴りのような音が多数聞かれているようです。
地震活動としては、元々低調な場所であり、際立った前震活動は認められません。
前兆と思われる現象を捕捉できたことは評価すべきですが、その一方で能登半島地震から学んだこともあります。今回のように前兆としての大気イオン濃度異常発現から地震までの時間が極めて短い場合、弊会が注意喚起することができないこともあり得ます。私達もこれまで以上にデータを注意してみなければならないと感じておりますが、会員の皆様、市民メンバーの皆様、その他ユーザーの皆様におかれましても、大気イオン濃度グラフや宏観異常情報を日頃から注視し、また身の回りの自然現象の異常を感じられた際には、宏観異常をご報告くださいますようお願い致します。
なお、弊会がサポートしております株式会社ePI-NET発行の「e&e
FAX情報サービス」を購読されている方々には、2月14日の兵庫・南あわじ測定点異常以降、紀伊半島沖に対して注意喚起していますが、能登半島地震をもって注意情報を解除することはできないと考えております。また、弊会役員・測定点管理者のなかには、3月25日の厚木測定点での異常が紀伊半島沖での海洋性地震の前兆と捉える者もおります。引き続き、海洋性地震にご注意ください。 |