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2007/07/16「平成19年新潟県中越沖地震」(M6.8)の前兆と思われる現象について

2007/07/31

 7月5日未明に長野・松本測定点で、11日夜に静岡・沼津測定点で、15日午後には神奈川・厚木測定点において大気イオン濃度異常を記録、翌16日の10時13分頃、新潟県上中越沖を震源とする「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」(M6.8)が発生、新潟県中越地方や長野県北部で最大震度6強の揺れを記録しました。e-PISCOでは上記3測定点における異常が新潟県中越沖地震の前兆と見られると判断しています。以下に検討結果を示します。

【検討結果】

 まずはじめに、新潟県中越沖地震で亡くなられた方々に対してお悔やみ申し上げます。そして、震災地の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く、日常生活に戻れますようお祈り申し上げます。

 長野・松本測定点(信州建築構造協会)では、地震発生の約11日前の5日未明に大気イオン濃度の異常上昇(19,575個/cc)を記録しました。この値は直前1週間の平均値の25.8倍になります。震央から松本測定点までの直線距離は158kmです。また、震央から268km離れた静岡・沼津測定点(富士通株式会社沼津工場)では、11日夜に直前1週間の平均値の101.5倍にあたる73,083個/cc、震央から240km離れた神奈川・厚木測定点(神奈川工科大学工学部機械工学科矢田研究室)では、前日午後に直前1週間の平均値の12.6倍の9,803個/ccを記録しました。会員の皆様には、松本、沼津両測定点の異常値をメールにて通知、注意を喚起していました。
 e-PISCOでは3測定点での異常が新潟県中越沖地震の前兆と見られると判断しています。

※ 厚木測定点では、従来公開してきた測定器のほかに、測定器の性能実験のために別の同型測定器を設置しています。公開に用いてきた測定器は天候等の周辺環境の影響を大きく受けているおそれがあり、今回の地震の検証に利用することを見送りました。その一方で、同時測定していた別の測定器は、周辺環境に左右されず、信頼に足るデータと判断し、今回の検証に用いることとしました。

測定点と震央の位置関係
測定点と震央の位置関係
大気イオン濃度変化
新潟県中越沖地震
長野・松本
静岡・沼津
神奈川・厚木
震央距離
158km
268km
240km
先行時間
約11日
約5日
約20時間
大気イオン濃度変化グラフ

信州建築構造協会
富士通株式会社沼津工場
神奈川工科大学工学部機械工学科矢田研究室
地震の諸元
発震日時 2007/07/16 10:13:22.5
震源 新潟県上中越沖(37゜33.4'N 138゜36.5'E) 
震源の深さ 16.8km
マグニチュード 6.8
最大震度 6強:刈羽村割町新田、柏崎市西山町池浦、柏崎市中央町、長岡市小国町法坂、飯綱町芋川
 

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