関東南部大地震
発生は来月以降の可能性 |
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5月24日以降、大気イオン濃度の異常値が記録されつづけている南房総測定点の現地調査を測定担当者が実施したので報告する。調査日時は6月28日(日)午後で、測定値に影響を与えるような自然環境ではなく、施設内にも干渉しうる機器もなかった。測定器本体に問題があるか否かのチェックも実施したが、問題はなく正常に運用されていることが明らかとなった。なお、この測定器には、いくつかの測定レンジがあり、通常の測定では5万(個/cc)を限界とするレンジで十分だが、今回は非常に大きな値が記録されていることから、28日夕方以降は、50万(個/cc)まで計測できるレンジに変更している。念のため、現地調査の際に測定器を交換している。 |
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南房総測定点では非常に高い値が記録されつづけている。また、厚木測定点でも新たな異常値が記録されるなど、深刻な状態はつづいている。予測については、前号でお知らせした「場所=大正関東地震震源域付近、規模=M7を超え、場合によってはM8クラスも、時期=規模が大きくなれば遅くなり、M8クラスであれば9月まで持ち越される可能性も」に変更はないが、南房総測定点の測定値は、まだ上昇しつづけている段階と考えられ、詳細な発生時期の特定は時期尚早である。当面、当該地震は発生せず、早くとも8月に入ってから発生する公算が高くなってきている。 |
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何度も言うように、予測が現実になれば、首都圏は深刻な被害を受けるおそれがある。しかし、地震発生までには十分な時間的余裕ができたものと考えられ、国民挙げての予知態勢、防災態勢を冷静に整えることが肝要である。私の考えでも、大気イオン法だけでは万全ではない。e-PISCOでも大気イオンのほかに、市民メンバーの皆様から集めた身の回りの異常現象(宏観異常)、研究機関のデータを気象庁が取りまとめた一元化震源を解析し、地震予測に役立てている。公的機関、民間機関を問わず、地震予測に取り組んでいる皆には、通常の測定・観察・解析を進めるなかで、異常があれば私に連絡してほしい。 |
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また、一般国民の皆様にも日常生活のなかで異常を感じられたらe-PISCOウェブサイトから報告してほしい。自宅で飼っているペットなどが不審な行動を取ったらご一報を。宏観異常現象の出現時期は、地震発生の1週間前といわれる。1995年兵庫県南部地震では、地震発生の1週間程度前に明石海峡で深海魚が釣り上げられたり、汚泥が噴出したりした。今回も予想震源域が海域に掛かっているので、相模湾などで同様に現象がみられる可能性がある。漁業に従事されている方々にはそのあたりを注視していただきたい。 |
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これを機に身の回りの防災対策を取ってほしい。私も身内に、自分の背丈よりも高いところに置いているものは床に下ろすなどのありふれた対策を薦めている。落下対策、転倒対策などをお願いしたい。また、震源域から少し離れた東京都心などは緊急地震速報が機能すると思われるので、速報を受信したときの心構えを怠りなく。 |
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最後に、流言飛語に惑わされることなく、的確な行動を取ってほしい。また、根拠のないデマを流さぬようお願いしたい。 |