首都圏大地震 月末以降に先送りの見通し |
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まず、市民メンバーの皆様からの宏観異常報告に加えて、新たな情報を仕入れるため、私自ら、熱川バナナワニ園(静岡・東伊豆町)、伊豆バイオパーク(同町)、ふれあい動物園(神奈川・平塚市)、新江ノ島水族館(神奈川・藤沢市)に直接電話したが、いずれの施設でも動物には異常はみられないとのことである。 |
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また、神奈川県温泉地学研究所に電話したところ、箱根地区では温泉の温度等に特段の異常はみられないとのことだ。同研究所によると、一般論として、大地震の前には温泉温度に変化がみられることがあるそうだ。 |
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この情報をご覧の動物園、水族館関係者の皆様には、動物などの動きを入念に観察し、私の手元に情報を寄せてほしい。また、漁業関係者の皆様には、周辺海域の生物の異常のほか、海水の濁りなどがないか注視してほしい。1995年兵庫県南部地震では、2〜3週間前から明石海峡や大阪湾でヘドロが噴出したような濁りが確認されている。 |
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さて、首都圏の大気イオン濃度は下落傾向にあるが、この期間も厚木、南房総両測定点で測定値が50,000(個/cc)を超え、振り切れる状態になるなど、活発に大気イオンが噴出している状態がつづいている。前号で8月10日頃には平常値に落ち着く見通しを示したが、全体的にやや遅れている印象がある。よって、地震発生は8月下旬以降に先送りされるものと思われる。 |
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地震活動の面からみると、箱根の地震活動は、予測している大地震の前兆となる可能性がある。箱根の活動が落ち着いて、しばらく経過したときに何が起こるか興味深い。神奈川県温泉地学研究所のウェブサイトではリアルタイムの地震活動を見ることができるので、参考にしてほしい。また、箱根からは北に20kmほど離れたところなので、別の地震活動になるが、1日21時36分に神奈川県西部(山北町付近)で発生したM2.9(最大震度1:山北町山北)の地震も気がかりだ。このあたりには、神縄・国府津−松田断層帯が走っている。政府の地震調査委員会によると、この断層帯が今後30年以内にM7.5程度の地震を引き起こす確率は0.2〜16%である。 |
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なお、これまで、陸域の危険度は「4」としていたが、宏観異常の発生や地震活動の状況から、陸域にも少なからぬ影響を与えるおそれが高まってきたので、陸域の危険度も「5」に引き上げた。とは言いつつも、震源域は海域にも掛かっているので、たとえば、相模湾で大地震が発生すれば、津波の危険は十分にある。今まさに海のレジャーシーズンである。レジャーを取りやめる必要はないが、江の島や鎌倉、大磯といった地域でレジャーを楽しむ人々は、避難場所や避難経路を予め確認しておくべきだろう。 |