首都圏大地震は9月中旬〜10月末発生へ |
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神奈川・厚木測定点は1日21時10分に26,201(個/cc)を記録した後は、異常値を記録せず、平常状態を保っている。
千葉・南房総測定点も4日22時05分に11,084(個/cc)を測定した後は平常状態を保っていたが、10日午前、再び測定可能限界の50,000(個/cc)を超えた。 |
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まず、この期間、4日11時30分に千葉県北西部でM4.5(最大震度3:横浜神奈川区神大寺、東京江東区枝川)、5日10時59分にM4.2(最大震度3:栃木・茂木町茂木、茨城・鉾田市当間、小美玉市堅倉)が発生したが、この地震の前兆となるような大気イオン濃度変動は見られなかった。
その上で、前号で厚木、南房総両測定点が5,000(個/cc)前後で推移し出すと、危険な状況に入ることを述べた。この期間、厚木測定点では平常状態、南房総測定点では異常値を記録したことで、発生時期は不明瞭になってきた。大気イオン濃度による地震予測は、大地震の最初の前兆現象であり、近々発生するような大地震にかんしては、厳密な地震発生時期の予測は困難である。まさに、大気イオン予測法の限界に達したと言える。このあとは、e-PISCO地震予測3本柱の残りふたつ、つまり宏観異常と地震活動変化に着目せねばならない。 |
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地震活動について言えば、1995年兵庫県南部地震では、本震の3か月ほど前からつづいていた兵庫県猪名川町付近の群発地震が落ち着いた後に、前日の数回の前震を経て、本震が発生した。
▲1995年兵庫県南部地震前3か月間の地震活動
▲上記震央分布図の時間変化(M-T図)
今回の首都圏大地震では、箱根の群発地震活動および周辺の神縄・国府津−松田断層帯の地震活動が重要な指標になる。現在、比較的落ち着いた状態となっており、この状態がさらに長くつづけば危険が迫っていることになる。
▲箱根周辺の地震活動
▲上記震央分布図の時間変化(M-T図)
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宏観異常にかんする報告だが、本部にかかってくる電話では、前回につづいて、静岡・熱海市沿岸から硫黄の臭いがするとの報告が寄せられている。また、e-PISCOウェブサイトから投稿された宏観異常報告では多くの動物の行動に異常がみられるようである。兵庫県南部地震の直前を思い出させる。これまでの大地震では、地震発生の24時間ほど前に犬や猫が姿を消すことが多い。「阪神淡路大震災
前兆証言1519!」を参照されたい。
このほか、発光現象や鳴動にも注意してほしい。そして、最後は人間の第六感である。兵庫県南部地震では、直前に何かを感じ取り、午前6時前の発生であったにもかかわらず、地震発生時には阪神間のほとんどの人が目を覚ましていたという報告もある。 |
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以上のことを踏まえ、首都圏大地震の発生時期は、9月中旬から10月下旬の範囲に修正する。 |
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これまでも何度も触れているように、身近な防災対策は怠りなく。強い揺れが襲うと、室内の家電製品や家具などが飛び交うおそれがある。テレビや冷蔵庫などを自分の頭より高いところに置かないこと。そして、何よりもそういったものが何もない部屋をつくり、寝室とすることである。部屋の整理をする時間的余裕はある。十二分な対策をお願いしたい。 |
奈良県の予測は予測継続 |
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これまでに、関西では「奈良盆地でM4.5〜5.0」を予測している。予測期間である6日週いっぱいまで予測を継続する。 |